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第23章 原石と宝石

　　　
『この度はご贔屓にしていただいて。』

《いや、私は内装なんてどうでもいいんだが、
　真美がうるさくてね。涼子と同じだよ。ほほほ。
　どうせならキミにお願いしたいって
　真美が言うもんでね。ほほ。
　まぁた キミに寝取られそうだ。ほほ。》

『もう そんなことしませんよ。』

《そうかぁ？真美に興味は無いか。
　優子とは上手くやってるようじゃないか。
　ほほほ。》

『ええ、そうですね。』

《はっ！そうですねじゃないよ。
　アイツ全く顔出さなくなったぞ。
　キミが独り占めしてるようだと
　皆、恨んどるよ。ほほほ。》

優子は本当にこの連中と手を切ったようだった。
少し安堵した。
優子は私のものだ。

『先生、ご新居なんですね。』

《そうだ、どこが建てるのか
　知りたいと言ってたな・・・。
　ええと。なんだったかな。
　よく覚えてないな。》

夫婦揃ってこの調子なら、建築屋から相当ぼったくられているはずだ。
それでも亭主の資産からすれば、建築屋のぼったくりなどたいした額ではないのだろう。