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異常性愛
第23章 原石と宝石
真美の携帯がメール着信した。
私に差し出された画面には業界最大手のハウスメーカーが表示されている。
『大手だね。ここを忘れたの?』
『いろんな所でプランを出してもらったから、
図面だけでもたくさんあって、
・・・ごめんなさい。』
『あ、いやいいよ。直接送ってもらうから。』
亭主の名前と住所をメモし、ハウスメーカーから図面を送ってもらうよう女子社員に指示した。
『真美ちゃんさ、家に興味ある?』
『あんまりないですね。ふふっ。』
『だよね。どうして来たの?』
『大輔さんの顔を見に来た、
って言うと、叱られます?』
『へ?僕の?』
周囲を見回した。
他の社員に聞かれていないか心配した。
『冗談ですよ。でも気にはなってました。』
『あんまり、からかっちゃダメだよ。』
私はやんわり威嚇した。
真美は雰囲気を読み取り、俯いて上目にチラッと私を見た。
何かに縋るような弱さを、その目に感じた。