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異常性愛
第24章 月
その昔、眼鏡をかけたドラマーが、脳天から声を出して歌ったヒット曲があった。
ロマンティックが止まらない、とはよく言ったものだ。
子供の頃、意味が解らなかったが、優子に出逢って私のロマンティックは止まらないどころか、加速している。
『真美ちゃんね・・・。』
出た。
ロマンティックがブレーキを踏んだ。
『ん?どした?』
『こらぁ、誤魔化さないっ。』
優子を抱いてゴロンと転がった。
横になって向き合うと、外光が優子の頬に影を作り、アゴのラインがシャープに輝いている。
優子の髪を撫でた。
----少し痩せたか?
ちょっとした変化を見逃さないぐらい、優子に惚れている自分に気付いた。
それが私の心に小さな影を落とす。