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異常性愛
第24章 月

会社の利益などどうでも良いのだが、そうなれば私が現場に出向くことが多くなり、少しでも真美についてやることが出来る。
あの雪の日以来、真美を思う気持ちが少しずつ膨らんでいた。
頼るものを探し、真美がたどり着いたのが私のところだった。
不安でたまらなかっただろうと思うと、真美が幼い頃の自分のようで、少しでも力になってやりたかった。
ただ、もうひとつ、私は自分の中の悪魔を見た。
それは、自分にすがる弱りはてた真美を、握り潰したいという衝動だった。
それに気付いた時、自分が恐ろしくなった。
人ではないのではないかと思った。
真美を帰したあの後、優子を抱いた時に一瞬、真美を抱きたいと思った。
まだ、その感情に全く整理がついていない。
どこかで収拾をつけなければ、また面倒が増える。
私は現状に満足しているし、面倒は増やしたくない。
だが私の中で悪意が頭をもたげているのも事実だった。

