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異常性愛
第24章 月
『ん、まぁ、そうしてくれ。
部長の誘い断って来てるしさ。
そろそろ行くか。』
『はぁい、ごちそうさまでした。』
自分が女子社員から好意的に見られていることを、初めて知った。
二月にはチョコレートをたくさん貰うが、男性社員は皆 貰う。特別なことではない。
五年前に知らされていたら、片っ端から女子社員を食っていたかもしれない。
私の勤める会社は業界では大手だが、多国籍企業に比べれば企業規模はまだまだ小さなものだ。
そんな所でも女性は男を選別し、少しでもマシな相手を探している。
チアキのように玉の輿を夢見る者もいれば、相手の素性を知らず、私のような変質者に興味を示すおバカさんもいる。
世の中の女性は、皆一様に亭主らの毒針にかかる可能性があるということを示唆している。
力を持つ者に憧れ、それに近づこうとエネルギーを使うことが私には理解できない。
本当の幸福がそこにあるとは思えないからだ。