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異常性愛
第25章 おまじない
15時を到着予定にしている。
充分間に合いそうだった。
『運転手さん、タバコ吸わないの?』
『あたしは吸うんですがねぇ、
禁煙車なんすよ。』
『我慢してるんだ?』
『そんなとこっすよ。』
『バイパス降りたらコンビニあるでしょ。
そこで一服しませんか?』
『いいすよ。助かります。へへ。』
初老の運転手は頭を掻いた。
白髪混じりのパサパサの頭髪と、筋張った手の甲が年齢を感じさせる。
最近はどこも禁煙だ。
車内には喫煙者しか居ないのだが、車がそれを拒んでいる。
お国に税を毟り取られ、肩身の狭い思いで煙を吐くことが馬鹿らしくなる。