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異常性愛
第25章 おまじない
   
私には縁のない店だ。
バイパスを抜けたあたりから、宅地としては高級と呼ばれる地域に変わっていく。
店舗として土地利用できるのはこのあたりが限界だろう。
立地は悪くないが、高級住宅街の目の肥えた人種に見合う品揃えがあるようには見えなかった。
あの店もすぐ消えるだろう。

『そろそろ行こうか。』

『あぁども、生き返りました。ありがとさんで。』

ガラッぱちの初老の運転手は、それでも丁寧に礼を言ってくれた。



森林公園が見えてきた。
亭主と電話で話した日のことを思い出す。
あの日もいい天気で、陽光にキラキラと輝いた涼子が、眩しそうに目を細め、空を見上げていた。

思えばあの日から私の人生は急展開をみせた。
抗えぬ大きなうねりに飲み込まれそうな気がして、少し身震いした。




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