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異常性愛
第25章 おまじない
   
真美に電話した。

『もしもし真美ちゃん、大輔です。』

《あ、大輔さん、こんにちは。》

『近くまで来てるんだけど、大丈夫かな?』

《お待ちしてましたよ。いつでも。大丈夫です。》

『そう。悪いんだけど荷物が多くてね。
 ガレージ開けといて貰えないかな。』

《解りました。開けておきますね。》

『ごめんね。もう着くよ、見えてきた。切るね。』

《はぁい。》

心成しか真美の声に張りがあった。
少し持ち直せたのかもしれない。
私も少し気が楽になった。


亭主の家の大きな屋根が、冬の空にそびえている。
ここに涼子はもう居ない。
そう思うと急に心が冷えた。
今にも涼子が出迎えてくれそうな気配があるのに、ずっと前から涼子はここにいない。


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