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異常性愛
第25章 おまじない

パンッとヒザを叩き、タクシーを降りた。
引きずれない。
真美が待っている。
『大輔さぁん。』
アプローチを小走りに真美が姿をみせた。
パンツスタイルの若奥様は、黒光りした分厚い財布を胸に抱え、ニッコリ微笑んだ。
『すみません、わざわざお越しいただいて。
荷物手伝います。』
『あっ、だいじょうぶっす。』
私より先に返事したのは運転手だった。
ガレージでサンプルを抱えた初老の運転手は、トランクの荷物をさっさと運び始めていた。
『あぁ運転手さんごめん。俺やるよ。』
『いや、やりますやります。』
初老の運転手はサンプルの入った箱を抱え、その重みでピンと腕を伸ばし、アプローチを歩いていった。
外股の足を前に送る度に身体を左右に揺らし、私の荷物を運んでくれている。

