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異常性愛
第25章 おまじない

『えっと・・・ここは寝室か。』
真美は手元のマウスに視線を落とした。
ネガティブな連想をしたようだ。
『寝室は後だな。えぇっと・・・こっちは。』
『それも寝室です。』
『あぁそうだった。じゃ水周りいこっか。ね。』
『大輔さん、コーヒー、おかわりしましょか?』
『ああ、頼むよ。ありがとね。』
空気を変えようと、真美はシンクに向かった。
気持ちを崩さず、前向きになろうとしているのが解る。
この家にある何もかもが、涼子が居た当時のままだった。
今さげた食器も、以前からここで使われていたものだろう。
大型家具や家電などは仕方がないにしても、小物は真美が揃え直しても良さそうなものだ。
シンク周りの小物の配置もほとんど変わっていない。
これでは真美も息が詰まるだろう。

