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異常性愛
第25章 おまじない

『真美ちゃんの眼に適わなかったんだ。』
床材サンプルの角を弄りながら、真美は続けた。
『職場で先生方を見てると、
カッコよくて、華やかで、憧れました。
誘われると嬉しくて舞い上がっちゃって。
もしかしたら、私も
そっちの人たちの様になれるんじゃないかって。』
『で、ああいうとこに顔出すようになったんだ。』
真美はゆっくり頷いた。
『でも今の自分が、自分じゃない気がして
・・・ナースの頃が懐かしくなります。』
『先生には相談したの?』
自分の決断を後悔するように真美は笑った。
『解るような人じゃありません。』
『そうかもなぁ。』
大きすぎる獲物を持て余しているようだ。
確かに真美に亭主は不釣合いな相手だ。

