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異常性愛
第25章 おまじない

真美の気持ちが痛いほど解る。
幼い頃、父に支配され、母を恨んだ私も同じだった。
真美は自分の存在を認めてほしい、ただそれだけだ。
『真美ちゃん・・・解るよ。
僕もそうだった。』
真美は大きな眼で私を見据えた。
唇を噛み、涙を堪えて私の言葉を待った。
『子供の頃ね、親の命令で
やりたくないことやらされてね・・・。
自分の意思を認めてもらえないことが
嫌で しょうがなかったよ。
それ ぶつける人 突然失ってね・・・。
だれも慰めてもくれない。
で、いろんなヤツぶん殴って周った。
俺を認めろって。
相手に認めてもらえない自分を、
自分自身が認められなかった。
プライド高かったんだな、きっと。
力も無いくせに。
学生の頃はそんなんで暴れててね・・・。
でもね、意味無いよ、そんなの。』

