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異常性愛
第25章 おまじない
   
『涼子を恨んじゃいけない。
 涼子を庇ってるんじゃない。
 真美ちゃんのためなんだ。
 間違った相手を恨むと、必ず後悔する。

 涼子に拘らずにやってごらん。
 真美ちゃんらしさを見せてあげなよ。
 せっかく素敵な女の子なのに、
 それじゃ、台無しだよ。』

「ひんっひんっ」と声にならない泣き声を喉に留め、真美は歯を食い縛った。
雪の日、私は真美の感情を抑えてしまった。
今日はそんなことをしなくてもいい。

『いいよ、遠慮しなくていい。』

堅く握った手を震わせ、「わぁぁっ」と真美は声を上げた。
美形といえるその顔を涙と鼻水でボロボロにして、子供のように真美は泣いた。
暗い寝室で真美の大きな泣き声がわぁ、わぁと響いた。



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