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異常性愛
第25章 おまじない
『僕が運転するよ。』
真美を乗せ、当て所なく閑静な街を流した。
私からは何も話さない。
真美が落ち着けば口を開くだろう。
森林公園を過ぎ、バイパスへ向かう道に出た。
紫色の空が黒を濃くし、街灯を明るく見せ始める。
冬の黄昏は早い。
タバコが欲しくなり、ワイシャツのポケットを探したが、いつもの感触がない。
コートのポケットにタバコを忘れていた。
亭主が帰れば長い酒盛りになる。
亭主はタバコが嫌いだ。
『タバコですか?』
真美が口を開いた。
『そうなんだよ、忘れてきたみたい。
先生タバコ嫌がるだろ。』
『その先にコンビニありますよ。寄ります?』
『そうだね。付き合ってよ。』
真美はニッコリ笑った。
弾けるような肌に一瞬 見惚れた。