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異常性愛
第25章 おまじない
『あっ、そうだ。
真美ちゃん、待ってて。
あ、寒いから、車で。』
来る前に見つけた店の看板を思い出した。
遠目に見ただけだったが、私でも買えそうなものがありそうな店の外観だった。
タバコを消し、その店に走った。
店内はわざと古びた感じに仕上げた薄茶色ベースの内装に、レトロな裸電球がいくつか吊られ、商品の影を消すように補助灯が配置されていた。
分厚いデッキ板を張った床を歩くと、木の音がポコポコと柔らかく響いた。
珍しいアンティーク家具を売り物しているようだった。
その一角に食器売り場を見つけ、その中で私はコーヒーカップを探した。
いくつかカップが並ぶ中で、特徴的なハンドルのものをひとつ選んだ。
真っ白で天渕が薄く、ハンドルが耳のように大きく伸び、ネイルを施した真美の爪に優しそうだった。
それをひとつ買って、真美の待つ車に走った。