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第26章 ならず者の食卓

　　　
それにしても、あの涼子のＶＴＲには疑問が残る。
もちろんセックスに関して積極的な女性だったが、ＡＶ嬢が霞んで見えるほどのあの自慰行為は、涼子への印象を一変させた。

撮影者が居たとするなら、それは恐らく亭主だろう。
何らかの条件付きで、カメラの前に涼子を座らせたのかもしれない。
私の名を叫ばせることで、亭主は嫉妬による興奮を得ていたのだろうか。
だが亭主は私に涼子を寝取られたところで、嫉妬するような男ではない。
私が真美を抱くことも容認しているぐらいだ。

亭主は女を平気で慰み物にできる男だが、湖畔のホテルで離婚を決めた二人が、その後にあれを撮影するとは思えない。
であれば、その前。
私があの家で涼子を弄んでから、離婚を決めるまでの間に撮られたのだろうか。