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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
考えを巡らせながら運転していた私の右手に、突然温もりを感じた。
センターコンソールに置いた私の手の上に、真美が手を添えていた。
何も言わず私の手を握る真美。
小娘に手を握られ、私の心臓は早鐘を打っている。
なぜこんなに怖気づかねばならんのだ。
ひと回り年上の男として負けてはいられない。
私は真美の手と上下を入換え、しっかり握り返した。
指先に捉えたツルツルとした感触が、手以外の真美の肌を容易に想像させる。
負けてしまいそうだった。
真美が私を誘っていると思ってはいけない。
私の性欲が、私を殴りつけているだけだと思うようにした。
既に様々な男に嬲(なぶ)られ、穢れを知る真美を、私は心のどこかで清純なものとして受け止めていて、薄汚い性欲から遠い所に置こうとしている。
化粧を取った真美の初々しさが、私にそう思い込ませている。
私の純情を揺さぶるほど、真美の素顔は瑞々しく美しい。