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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
突然、真美は私の頬にキスした。
私の頬に触れた、真美の頬の柔らかさが、様々なものを想起させた。
女性に臆病になることなどなかった私は、動揺している自分が何者か解らなくなった。
前を見たまま真美に聞いた。
『なんでキス?』
『ありがとうのキスです。』
『そう・・ありがとうか・・。
じゃ前のは?雪の日の。』
『前のは、
助けて のキスでした。』
『あぁ、そう
・・・助けて・・ね。』
『怒ってます?』
『や、そんな。
怒らないよ。うん。』
『よかった。』
『助けてのキスは効果あったかい?』
『はい。とても。』
『そりゃ、よかった。』
素直に良かったと思えた。
少しでも前を向こうとするのなら応援してやってもいい。
真美にはそういう、いじらしさがある。
ただ、ちょっとは私の気持ちを察してほしい。