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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
《ごめんね。
何かあったら
遠慮しないでかけて。》
『ああ、そうするよ。じゃな。』
《ディー、好きよ。》
優子は小声で囁いた。
切る間際に珍しいことだった。
『俺も。』
《もうっ。》
『好きだよ。』
《んふっ、じゃね。》
早口でそう言い、優子は電話を切った。
優子の嫉妬は意外に根深そうだった。
上着を羽織らず外に出ていた私は、寒さに耐えられなくなり家の中に戻った。
玄関を開けた瞬間、食欲を刺激するいい香りが嗅覚をつついた。
リビングに戻ると、大きな食卓に色鮮やかな真美の手料理が並び、賑やかな雰囲気に様変わりしていた。
『へぇ、ご馳走だ。凄いね。』
振り向いた真美はニッコリ笑った。
『今日は特別ですよ。』