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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
真美は大きな声で亭主に訴えた。
小鹿が象に挑んだ瞬間だった。
亭主は拳を震わせ真美に歩み寄った。
危ない。
咄嗟に真美の前に立ち、私は亭主と真美の間に割って入った。
『先生!待って、
待ってください。』
『真美!生意気だぞ!』
『先生っ、
落ち着きましょ、ね、ね。』
『どけっ、大輔クン。』
『いけませんっ、先生っ。』
胸元で掌を広げ、高ぶる亭主を抑えた。
嘆息をひとつ吐いた亭主は私の肩をポンと叩き、中指で眼鏡をツイと上げると、何度か首を縦に振り、席に戻った。
険悪な空気が流れる中、亭主が口を開いた。
『真美、出てけ。』
『先生、そんな・・。』
『私に逆らうなら、そういうことだ。』
外したエプロンを椅子の背もたれにかけ、真美はトボトボとキッチンへ向かう。
食器棚から純白のカップを取り、胸に抱いた。