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異常性愛
第26章 ならず者の食卓
反省したような、でもまだ言い足りないような、どちらともつかない中途半端な表情で真美は涙を堪えた。
渾身の意思表示を粉砕された真美は、自分の非力を思い知らされ、全てを失おうとしている。
キッチンから廊下に向かう真美のスリッパが パタ、パタ、と力無く床を引き摺った。
その気の抜けたテンポとかすれた音が、私の胸を締め付ける。
自己を否定された真美の痛みが私に伝播し、鳥肌を立たせた。
物悲しい、その響に耐えられなくなり真美を呼び止めた。
『真美ちゃん!行くな!待て!』
スリッパの音が止み、胸の締め付けが少し和らいだ。
『わかりました。
真美ちゃんを抱かせてもらいます。
ですから、真美ちゃんは
ここへ置いてやってください。』
亭主は表情を変え、私を見上げた。