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異常性愛
第27章 業
『真美ちゃん、タクシー呼んでくれる。』
『え?タクシーですか?』
『うん、今日は帰るよ。』
『・・・どうして?』
『用事、思い出した。』
『そんな・・。』
『ごめん、今日は帰るよ。ね。』
真美は起き上がった私の手首を掴んだ。
『また、来てもらえますよね?』
『もちろん。
その時は、おいしいの頼むね。
コーヒー。』
『わかりました。
取って置きのをたてますね。』
安堵した真美は微笑んだが、実際に次があるかどうかは微妙だった。
私は今日のうちにここを去ることを決めた。
それが、良いのかどうかわからない。
ただ、真美を思うように扱えず、晴れぬ気分で考えを巡らせているだけなら、一人で過ごした方がいい。
そう思った。