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異常性愛
第27章 業
『いいよ、真美ちゃん。
先生にはよろしく言っといて。
それと、これ。』
署名済みの仮契約書を封筒ごと真美に渡した。
『先生に渡しておいて。
持って帰れないって。』
体調不良でもなんでもない私自身の気持ちの問題で、私は亭主の要望に応えることができなかった。
他人の署名があるものを私が捨てるわけにいかない。
『じゃ、真美ちゃん、
今日はこれで。
寒いからここでいい。
おやすみ。』
『ああ、大輔さんっ
嫌です。
なんか嫌です。
このままなんて。』
真美は封筒を胸に抱き、置いていかれる子供のように じたばたと身体を揺すった。