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異常性愛
第28章 媒介
湯冷めしないようにといつもより厚めに着込まされ、ダウンジャケットを羽織って外に出た。
冬の日差しに眼が眩んだ。
堤防への階段を上がると、晶子はすぐに私の腕に手を通し、まとわりつくように歩く。
近所の目も気にしない、晶子の甘えように怪訝なものを感じたが、二日酔いで糖の切れた私の頭は、それ以上の思考を拒んだ。
途中、夭逝したベルの墓標に手を合わせ、橋のほとりのうどん屋へ二人でボチボチと散歩した。
この時期には珍しく、風が暖かい晴天だった。
ずっと向こうの山から伸びる送電線が、雲の無い高い青空を横切っている。
陽光に暖められた冬の空気が、歩を進める湯上りの私を温め、背筋に薄っすら汗をかかせた。