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異常性愛
第28章 媒介
『ねぇ、いいとこ見つけたの。』
『なに?いいとこって。』
『病院よ。言ったでしょ。』
『ああ、病院ね。』
『実家の近くでね、
最近建て直して凄くきれいなの。
近いし、お母さんもそこがいいって。』
『そうか、近くなら良いかもな。』
『でしょ?』
『ああ。』
妊娠もしていないのに、気に入った産婦人科病院を見つけただけで、堤防を歩く晶子の足取りは軽い。
『興味ない?』
『そんなこと無いよ。
一緒に行けなくて悪かったな。』
『気が早いって?』
『先手必勝だろ。
お母さんに礼 言っとかなきゃなぁ。』
微妙な形に口を開け、私は堪えていた欠伸(あくび)を口の中で始末した。