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異常性愛
第28章 媒介
昨日の朝と何も変わらない晶子の腹をさすった。
『大事にしてやるからな。
早く出て来い。』
『だめよ。
ギリギリまでお腹にいてもらわないと。』
『そうか?早く会いたいよ。』
『気が早いわよ。ふふっ。』
『そうか。ははは。』
検査で懐妊が判明した晶子は、少しでも早く私に伝えたくて早めに実家を出たようだった。
嬉しい報告に二日酔いは吹き飛び、晴れがましい気分で晶子の肩を抱き、うどん屋に向かった。
うどん屋ではキツネの並を注文する晶子を遮り、大盛りの注文に変え、松茸の釜飯も頼んだ。
そんなに食べられないという晶子だったが、浮かれた私の気持ちを察して残さず食べてくれた。
古びた飯屋での小さなお祝いだったが、私には大きな門出だった。