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第5章 月への道を

タクヤの妻は、離婚をすると言いだした。

無理もない…
愛して信じていた夫が
元嫁とセックスをしていたなんて
それだけでも悍ましいのに
暴行していたなんて
恐ろしく思ったんだろう。

その上、勝手に自殺未遂までして…


タクヤの妻は
タクヤに向かい

「よくも今まで私を騙していたわね。元嫁がそんなにいいなら、元嫁に面倒見て貰いなさいよ！
自殺した時に死んでしまえば良かったのに。
なんで生きてんのよ！何もできなくなってただの荷物でしかないのに。離婚して下さいね。嫌とは言わせないわよ。」

意識はあるが、物事を理解しているのか分からないタクヤに暴言を吐き、病室から出て行った。

タクヤの目からは涙が流れ出していた。


ユウイチはタクヤの妻から離婚の連絡を受けたが
離婚するしないは本人たちの事で
自分は、介入しないがタクヤの面倒はこちらで看ると
妻に返信した。

ユウイチは仕事の時間が空けてタクヤを見舞った。
なかなかタクヤはよくならなかった。

ユウイチは元気だが、もう若くもなく、心労が多く疲れていた。

仕事は他のスタッフにも手伝って貰っていたが、ユウイチの仕事は思うように仕事も捗らなかった。