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Moon road〜月への道
第5章 月への道を
タクヤにはりえのこと、子供達のこと、仕事のこと、遺産のことが書かれていた。

癌が最初に発見された時から準備を始めていたようだった。

タクヤはユウイチの優しさや偉大さを感じた。


りえをユウイチの部屋から出した。
そして、離れの自分たちの家に連れてきた。

前にある幸せも見て欲しかったのだった。
りえがこのまま悲しみに埋もれてしまいそうで怖かったのだ。

りえも、前を向かなければならないと分かっていた。

りえは前のように、生活をしようと思っていた。




りえは、学校の支度を子供達と一緒にしていた。

この家に来て、小学一年生になり、ユウイチが亡くなり、子供達も環境の変化についていくのは大変だったに違いない。
りえは、子供達を思いやれ無かった事に後悔したが
強く逞しい子供達に励まされていた。


子供達がベッドに入るのを見届け
「おやすみ。明日、寝坊しないようにね。」
と言い、電気を消した。


りえはリビングに行くと、タクヤは書類をいくつか見ていた。
りえはお茶をいれてタクヤに持って行った。

「ありがとう。」
タクヤは、お茶を口に持っていき静かに飲んだ。

「フゥ〜」
ため息をつき
「りえがいるとやっぱりいいな。」

りえを抱き寄せた。
りえにキスをし、もう一度抱き寄せ、抱き締めた。




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