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Moon road〜月への道
第3章 結婚
朝、タクヤは朝食を食べに母屋に行った。

毎日帰らないタクヤをユウイチは叱ったが、タクヤは適当に頷いていた。

新井は、りえが来ない事に不審を抱き、
タクヤが朝食を食べている間に、部屋に向かった。

玄関を入り、りえの部屋のドアを恐る恐る開けると、
散乱した部屋の中に、破かれた服を着て、宙を見つめているりえがいた。

「りえさん!」
新井は駆け寄りりえを抱き締めた。
無表情に天井を見上げていた。

「りえさん、りえさん、こんな酷い…」
新井は泣きながらりえを抱いてた。

「お義父さんには言わないでいてください」
天井を見つめながら、りえは浅井にポツリと言った。

「いいえ、ダメ、これは暴力です。旦那様に言って…」

「おねがい!言わないで!言わないでお願い…」

そう言い、りえは泣き崩れた。

新井はタクヤが出社したのを確認して、
りえの元に来て、お風呂に入れ、
腫れた顔や身体を冷やしてあげた。

散乱した部屋を片付け、温かいスープを作った。

「お義父さんに、しばらく仕事には行けないと…」
新井は頷き、一点だけを見つめるりえの姿に涙が出た。

新井はこっそり医者を呼び睡眠薬を処方してもらい、
りえを取りあえず寝かせてあげることにした。


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