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Moon road〜月への道
第3章 結婚
新井が、りえの髪を梳かしながら、ユウイチが倒れた事を伝えた。
りえの視線は、窓の外の事務所にいった。

ユウイチの姿はなかった。
りえの仕事机には、ユウイチがりえに贈ったプレゼントが置かれていた。


相変わらず夜は、タクヤがりえの部屋に来て、優しくしたり、乱暴にしたり、甘えたりしていた。

ユウイチが倒れたと聞き、
窓の外の事務所をりえはずっと見つめていた。

ユウイチの姿はずっと見えずにいた。

新井からは、あの時に体調を崩していると聞いただけで、その後の様子は聞いていなかった。

新井は午前中だけで午後に一旦帰り、店の準備をし、
従業員に店は任せて夕食時にまた来てくれている。


午後になり、新井が出かけるのを見て、
こっそり様子を見にりえは母屋に出掛けた。

食事の量も減り、歩くこともあまりしていなかったので、よろよろしながら…

事務所のドアを開けると、静かな空気がただよっていた。
新井が毎朝掃除をするだけで誰も入っていないからだ。

そして、事務所の向かいにあるユウイチの部屋のドアをノックした。

返事はなかったが、りえはドアノブを回しドアを開けると、
ベッドに横たわるユウイチがいた。

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