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マギカ☆フレグランス
第1章 魔女機構
魔導会議室451の内装は、教室とさほど変わりはなかった。
高い天井に大きなシャンデリア。床に敷き詰められた真っ赤な絨毯。
違うところといえば、教室に比べ大きさがかなり小さくなり、私の通っている高校の教室ぐらいになっている。
どうやら私が最後の一人だったらしく、すでに真ん中の大きな机を囲うように数十人の候補生が席についている。
席に着く候補生の背後に立って控えているのが、それぞれの使い魔だと思う。
アルティミシアさんの背後にさっきのフードの女の子がいるし、おそらく間違ってない。
「いらっしゃい。空いている席に座って」
会議室の扉からちょうど真反対。上座に座っている上級候補生が私に対して声をかけてくる。
ふわっとした声色に、私は少しだけ落ち着くことができた。
「は、はい! 失礼します!」
ルナちゃんがどうやって立ち振る舞っていたのかなんて、今の私には考えようもない。そんな余裕はどこにもなかった。
扉から一番近い席に、というかそこしか空いてなかったので、そこに腰を下ろす。
というか、この椅子、背もたれと肘掛けが付いてて、しかもクッションがもふもふ…!!
すっごい、座り心地がいい……!
おおっ……!と感激してる私の後ろにメイラが立つ。
それを確認したのだと思う、上座の上級候補生が会議の始まりを宣言した。
「これより、管理第三区【リリィ】の緊急会議を始めます。本日、進行を務めます、学園五年【リリィ】フィール・ルクシリアです。よろしくお願いします」
ふわっとしてる、としか表現できない独特の揚々を持った喋り方。でも、なぜだろうか、その言葉を聞かなくてはならないような強制力を感じる。
会議の場だから、ということももちろん大きく関係あるとは思うけれど、これが聞いたことのある「カリスマ」なのかもしれない。
「本日の会議は、《フォアード》マツリカ様より緊急の指令があがったことにあたり、開催するものでございます。急な招集にも関わらず、皆出席してくださったこと、感謝いたします」
フィールさんの挨拶が続く。
まともな会議というものに参加したことのない私にとって会議の流れは分からない。
幸い、私は学園一年だし、意見する必要もほぼほぼないはず。
とりあえず何を話したかだけしっかり聞いておこう。