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マギカ☆フレグランス
第2章 指令【フィリムの目撃情報収集】


 びっくりしたことに、私は普通に魔法が使えた。

「えええ、なんでぇ!? こんな簡単にできちゃっていいの!?」
「なんでっていうか、そりゃルナの体なんだから出来て当然でしょ」

 自宅の一室。
 魔法の訓練をするために設計されたという一室で私とメイラは、魔法の確認をしていた。
 まず大きな問題として、魔女候補生として、私がしっかり魔法を扱うことができるのか。それがあった。
 魔法が使えない魔女候補生など、いるわけがなく、私がこの世界に転移してきて、ここが一番大きな難問になる……なんて思っていたのだけど。

 ……簡単に出来てしまった。

「き、気持ち悪いね。手の上に火の玉があるって」
「いや、それあんたの魔力だからね。正確にはルナの魔力だけど」

 ルナちゃんは、炎系統の魔法を得意としているらしいので、とりあえず火の玉を発生させることから始めたわけだけど。

 その火の玉は、今私の右手のひらの上でメラメラと燃えている。

「とりあえず、ルナが扱える魔法の種類と詠唱をまとめて教えるから。覚えて」

 そう。覚えるしかない。
 今回の指令には、ケルベスの討伐が含まれている。
 それも、あの学園四年生の人が言ってたように、一人の魔女候補生と一人

使い魔では、死に至るケースがあるみたいだし。

 魔法が使えないまま、その任務に挑むのは、あまりにも危険すぎる。

 よし! なんとかして、魔法を覚えきってみせる!
 火の玉がメラメラと手のひらで舞う様子を見ながら、私は意気込むのだった。

 
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