この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
NEXT 【完結】
第75章 キタエル

「今の顔、見たー?」
「見た見た!あれ、相当慌てたよ〜」
1人訳が分からない稜は、焦って2人を交互に揺する。
「ちょっと、何であんなこと!」
あれでは羚汰が誤解してしまう。
まるで、これから女だけでアヤシイお愉しみが始まるみたいな。
床に転がったスマホを取ろうとする稜より先に、千夏がスマホを拾い上げる。
「いいんだって。たまには、慌てさせてやりなよ」
「えっ、だってー」
「いっつも稜が、さっきみたいに翻弄されてんでしょ。羚汰くん、ちょっと調子に乗りすぎじゃん」
「稜が、翻弄するぐらいにならないと!振り回されてちゃだめよ〜」
いつもならこんな悪ノリに参加しない有希子も、酔っ払っているからか、恐らく首謀者の千夏に協力しているようだ。
「そうだけど...」
流石にやりすぎではないだろうかー。
スマホの音がして、また羚汰から連絡だ。
「おっと。しつこいな」
千夏が通話停止を押す。
「!千夏!」
「いいじゃんー。もうこのまま今日は放っといたら?」
千夏から、なんとかスマホを奪い返して掛け直す。
「あー、もう。稜ったら」
「あはは。仕方ないじゃん」
千夏と有希子をひと睨みしながらカウンターキッチンから移動していると、羚汰が画面に現れた。
「稜、稜?よかった。え、怒ってる?」
「あ、ごめん。違うっ、違うくてっ」
真っ暗な寝室にそのまま移動してドアを閉める。
千夏と有希子は、まだカウンターの中で笑っているようだ。
閉めたドアに寄りかかるようにして、座り込む。
「稜?稜??真っ暗で何も見えないんだけど。大丈夫?」
不安そうな声がして、慌てて立ち上がり電気をつける。
「ごめん。ごめんね」
「あーーびっくりした。冗談だよな?な??」
やっと落ち着いて画面を見ると、本気で慌てている羚汰が画面いっぱいに写っている。
安心して急に稜に笑いがこみ上げる。
「ちょっ、何笑って!りょーーう!え??冗談だよな??」
「うん。冗談だよ。冗談!ほんと笑えないよねー」
そう言いながらも、笑いがおさまらない。
「じゃ、なんでそんな笑ってんだよー」
複雑な表情の羚汰が、余計におかしい。
「ううん。笑ってないよ」
「...なんか、楽しそうなんだけど」
今度は芝居でなく本当にむくれたようだ。
「今度会ったときに話すよ」
「見た見た!あれ、相当慌てたよ〜」
1人訳が分からない稜は、焦って2人を交互に揺する。
「ちょっと、何であんなこと!」
あれでは羚汰が誤解してしまう。
まるで、これから女だけでアヤシイお愉しみが始まるみたいな。
床に転がったスマホを取ろうとする稜より先に、千夏がスマホを拾い上げる。
「いいんだって。たまには、慌てさせてやりなよ」
「えっ、だってー」
「いっつも稜が、さっきみたいに翻弄されてんでしょ。羚汰くん、ちょっと調子に乗りすぎじゃん」
「稜が、翻弄するぐらいにならないと!振り回されてちゃだめよ〜」
いつもならこんな悪ノリに参加しない有希子も、酔っ払っているからか、恐らく首謀者の千夏に協力しているようだ。
「そうだけど...」
流石にやりすぎではないだろうかー。
スマホの音がして、また羚汰から連絡だ。
「おっと。しつこいな」
千夏が通話停止を押す。
「!千夏!」
「いいじゃんー。もうこのまま今日は放っといたら?」
千夏から、なんとかスマホを奪い返して掛け直す。
「あー、もう。稜ったら」
「あはは。仕方ないじゃん」
千夏と有希子をひと睨みしながらカウンターキッチンから移動していると、羚汰が画面に現れた。
「稜、稜?よかった。え、怒ってる?」
「あ、ごめん。違うっ、違うくてっ」
真っ暗な寝室にそのまま移動してドアを閉める。
千夏と有希子は、まだカウンターの中で笑っているようだ。
閉めたドアに寄りかかるようにして、座り込む。
「稜?稜??真っ暗で何も見えないんだけど。大丈夫?」
不安そうな声がして、慌てて立ち上がり電気をつける。
「ごめん。ごめんね」
「あーーびっくりした。冗談だよな?な??」
やっと落ち着いて画面を見ると、本気で慌てている羚汰が画面いっぱいに写っている。
安心して急に稜に笑いがこみ上げる。
「ちょっ、何笑って!りょーーう!え??冗談だよな??」
「うん。冗談だよ。冗談!ほんと笑えないよねー」
そう言いながらも、笑いがおさまらない。
「じゃ、なんでそんな笑ってんだよー」
複雑な表情の羚汰が、余計におかしい。
「ううん。笑ってないよ」
「...なんか、楽しそうなんだけど」
今度は芝居でなく本当にむくれたようだ。
「今度会ったときに話すよ」

