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NEXT 【完結】
第13章 おでんデート

「迷惑?迷惑なら、すぐやめる。引っ越してもう会わないようにするよ」
慌てて首を横に振る。
「じゃ、チャンス、くれる?」
今度は首を縦に振る。
「よかった」
心底安堵した表情の後、リョウはにっこり笑って、手を引いて稜をブランコから立たせる。
「...帰ろっか」
稜はなんとかうなずく。
また手をつないで、2人はマンションへと歩き出した。
「そういえば、来週のお休み取れた?」
ゆっくり歩きながら、リョウが聞いてきた。
「あ!」
「えっ。忘れてたの?」
「忘れてた。明日で大丈夫かなー」
「知らないよ。取れなかったら、急病にでもなってよ」
リョウが少し肩をぶつけてくる。
「急病?...風邪?...インフルエンザとか?」
「そんなの後でバレちゃうでしょ。そうだなー、歯が痛いとかは?」
「えー。虫歯なの?休むほどって、どんな虫歯〜?」
公園からマンションは、あっという間の距離だ。
部屋の前まで送ってもらう。
先程までの笑いあってふざけあってたのに、二人とも静かになる。
「おやすみ」
「...おやすみ」
そう言ってもまだ、ドアの前で手をつないだままだ。
稜も自分から振り払う気がせず、つないだ手を離せずにいる。
軽く向かい合ってドアの前にいるので、距離が近い気がして、リョウの顔が見えない。
さっきからずっとつないだ手を見てる。
リョウの視線も手にあるようだ。
「ねぇ。部屋に入りたいんだけど」
「うん。だね」
「もう、1時来るし...明日も仕事だし...」
「うん」
「また来週、でしょ」
「うん。...今度何食べるか、考えといて」
「...わかった。月曜日?」
「うん。...何時に終わる?今日ぐらい?」
「仕事によるから...。連絡する」
「うん」
このままでは、ずっと部屋の中に入れない。
「鍵、開けたいから」
右手をリョウにつかまれてるので、鍵が開けれない。
いゃ、左手でも出来なくはないが、やはり右手がいい。
リョウも、手を離してやっと右手が空く。
カバンから鍵を出して開け、そのままドアを開ける。
最後もう一度、おやすみを言おうかと振り返った時、おでこに何かが当たる。
ちゅっ。
「!!」
「おやすみ」
「...おやすみ」
してやったりといった笑顔のリョウが、ゆっくりドアの向こうに消えていった。
慌てて首を横に振る。
「じゃ、チャンス、くれる?」
今度は首を縦に振る。
「よかった」
心底安堵した表情の後、リョウはにっこり笑って、手を引いて稜をブランコから立たせる。
「...帰ろっか」
稜はなんとかうなずく。
また手をつないで、2人はマンションへと歩き出した。
「そういえば、来週のお休み取れた?」
ゆっくり歩きながら、リョウが聞いてきた。
「あ!」
「えっ。忘れてたの?」
「忘れてた。明日で大丈夫かなー」
「知らないよ。取れなかったら、急病にでもなってよ」
リョウが少し肩をぶつけてくる。
「急病?...風邪?...インフルエンザとか?」
「そんなの後でバレちゃうでしょ。そうだなー、歯が痛いとかは?」
「えー。虫歯なの?休むほどって、どんな虫歯〜?」
公園からマンションは、あっという間の距離だ。
部屋の前まで送ってもらう。
先程までの笑いあってふざけあってたのに、二人とも静かになる。
「おやすみ」
「...おやすみ」
そう言ってもまだ、ドアの前で手をつないだままだ。
稜も自分から振り払う気がせず、つないだ手を離せずにいる。
軽く向かい合ってドアの前にいるので、距離が近い気がして、リョウの顔が見えない。
さっきからずっとつないだ手を見てる。
リョウの視線も手にあるようだ。
「ねぇ。部屋に入りたいんだけど」
「うん。だね」
「もう、1時来るし...明日も仕事だし...」
「うん」
「また来週、でしょ」
「うん。...今度何食べるか、考えといて」
「...わかった。月曜日?」
「うん。...何時に終わる?今日ぐらい?」
「仕事によるから...。連絡する」
「うん」
このままでは、ずっと部屋の中に入れない。
「鍵、開けたいから」
右手をリョウにつかまれてるので、鍵が開けれない。
いゃ、左手でも出来なくはないが、やはり右手がいい。
リョウも、手を離してやっと右手が空く。
カバンから鍵を出して開け、そのままドアを開ける。
最後もう一度、おやすみを言おうかと振り返った時、おでこに何かが当たる。
ちゅっ。
「!!」
「おやすみ」
「...おやすみ」
してやったりといった笑顔のリョウが、ゆっくりドアの向こうに消えていった。

