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NEXT 【完結】
第14章 料理教室

次の日、会社に行くと桃香に呼び出された。
「どーするんですか?」
「...えーっと」
「マサトシくんですよ」
桃香は仁王立ちで、稜を軽く睨んでいる。
「こないだのコンパ、私が幹事だったので連絡あったんです。マサトシくんが、高崎さんから無視されるって、がっくり来てるって。回り回って」
「え、昨日LINE来てて、夜中に見ちゃったから、今日夜に返すつもりで...」
「何時に来たんです?」
「...2時」
はぁ。と桃香がため息をつく。
「...じゃあ、仕方ないかもしれませんね。でも向こうはずーっと待ってたらしいですよ」
「えっ?一晩中?」
「高崎さんも、朝返してもいいと思いますけど?」
「朝って、何時がいいかわからないから...」
「ま、いいですけど。じゃあ、何にせよ返事してくださいね」
「はい」
「で、そんな夜遅くまで、昨日何してたんですか?会社も気がついたら帰ってたし」
「えーっと、友達とご飯食べてた」
「へー」
何か少し感じ取ったのか、桃香の目線が痛い。
事務所に戻り、仕事を始める。
谷本社長が戻って来たので頃合いを見て、お休みのお願いをする。
本来なら前もって書面で提出するのだが、時期も近づいているので、口頭でお願いするしかない。書面で提出する場合なら内容まで書かなくとも何とかなるのだが。
「どうしたの。高崎さんが有給使うって、何かありましたか?」
稜は普段有給など使ったことがないので、社長が驚いている。
「いえ...その...」
「来週の水曜日ですね。」
「...あの、歯医者です」
「はい?」
咄嗟に、リョウの言葉を思い出して、歯医者と言ってしまった。
「...親不知を抜こうと思って」
「親不知」
「抜くのは午前中なのですが、そのあと大事を取った方がいいかなと」
何年か前に、実際稜は親不知を抜いた。
その時は、午前にお休みをもらって行ってきたのだが、午後から腫れがひどく熱っぽくもなって、途中で帰宅させてもらった。
「そういえば、何年か前もありましたねぇ」
「...はい」
「わかりました。本当はもうちょっと早めに言ってほしいですけど、歯のことは急ぎますもんね」
「...すいません」
なんとかお休みを貰えたが、えらいことになってしまった。
これは...当日変装をするしかない。
「どーするんですか?」
「...えーっと」
「マサトシくんですよ」
桃香は仁王立ちで、稜を軽く睨んでいる。
「こないだのコンパ、私が幹事だったので連絡あったんです。マサトシくんが、高崎さんから無視されるって、がっくり来てるって。回り回って」
「え、昨日LINE来てて、夜中に見ちゃったから、今日夜に返すつもりで...」
「何時に来たんです?」
「...2時」
はぁ。と桃香がため息をつく。
「...じゃあ、仕方ないかもしれませんね。でも向こうはずーっと待ってたらしいですよ」
「えっ?一晩中?」
「高崎さんも、朝返してもいいと思いますけど?」
「朝って、何時がいいかわからないから...」
「ま、いいですけど。じゃあ、何にせよ返事してくださいね」
「はい」
「で、そんな夜遅くまで、昨日何してたんですか?会社も気がついたら帰ってたし」
「えーっと、友達とご飯食べてた」
「へー」
何か少し感じ取ったのか、桃香の目線が痛い。
事務所に戻り、仕事を始める。
谷本社長が戻って来たので頃合いを見て、お休みのお願いをする。
本来なら前もって書面で提出するのだが、時期も近づいているので、口頭でお願いするしかない。書面で提出する場合なら内容まで書かなくとも何とかなるのだが。
「どうしたの。高崎さんが有給使うって、何かありましたか?」
稜は普段有給など使ったことがないので、社長が驚いている。
「いえ...その...」
「来週の水曜日ですね。」
「...あの、歯医者です」
「はい?」
咄嗟に、リョウの言葉を思い出して、歯医者と言ってしまった。
「...親不知を抜こうと思って」
「親不知」
「抜くのは午前中なのですが、そのあと大事を取った方がいいかなと」
何年か前に、実際稜は親不知を抜いた。
その時は、午前にお休みをもらって行ってきたのだが、午後から腫れがひどく熱っぽくもなって、途中で帰宅させてもらった。
「そういえば、何年か前もありましたねぇ」
「...はい」
「わかりました。本当はもうちょっと早めに言ってほしいですけど、歯のことは急ぎますもんね」
「...すいません」
なんとかお休みを貰えたが、えらいことになってしまった。
これは...当日変装をするしかない。

