この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
NEXT 【完結】
第31章 相談

稜は別れてからも当分引き摺ってぐずぐずしてしまい。立ち直るのに時間がかかった。
両親は、後に別れたと聞いた途端大喜びで、見合い話やら紹介やらを稜に勧め出した。
そんな両親の対応に腹が立ち、稜は頑なに見合い話を断り続けた。
それ以来あまり両親とは仲良くなく、先代のカイの衰弱時期を除いては、実家から遠ざかっていた。
そして、この秋にカイ3世が来たことで、実家によく通うようになり。
両親はここぞとばかりに見合いを勧めるが、稜は拒み続けていた。
「...でね。私の知らないところで、お見合いの話を進めていたみたいで...もう断れないの」
「...そう」
「ごめんね。こんな話、まだ付き合って数週間だし、それに...」
「...俺が学生だから」
「まだ、そういった話、したことないから」
そんな話をすることもない。するはずはない。と思っていたが。
それは口に出せなかった。
「今の羚汰に結婚を迫るようなことはしたくない。将来を縛るようなことも」
羚汰が黙ったままだ。
沈黙が怖くてそのまま稜が続ける。
「別に私は、今すぐ結婚がしたいわけじゃないの。母さんにはそれを言ってて。それなのに、聞く耳がないっていうか。自分の意見を通そうとするっていうか」
稜の両親は、父親が25、母親が21の時に職場恋愛で結婚した。
彼らの年代では、職場恋愛も、年齢的にも珍しいことではなかった。
稜の弟の空人も大学卒業してほぼすぐに結婚したし。
親戚中見渡しても、みんな20代前半で結婚しているのだ。
稜が30過ぎても結婚しないのが、恐ろしく晩婚に思えるらしい。
「...お見合い、いつなの」
稜の話がやっと尽きた時、羚汰が静かにそう聞いてきた。
「たぶん、お正月明けてすぐぐらい、って言ってた...」
仕事が忙しいらしく、正月休みがいいだろうという話になっているらしい。
まだはっきりとした日にちは決まってなかった。
「...そう」
「断るから。すぐ」
稜は怖くて、最初から羚汰の顔が見れずにいる。
両親は、後に別れたと聞いた途端大喜びで、見合い話やら紹介やらを稜に勧め出した。
そんな両親の対応に腹が立ち、稜は頑なに見合い話を断り続けた。
それ以来あまり両親とは仲良くなく、先代のカイの衰弱時期を除いては、実家から遠ざかっていた。
そして、この秋にカイ3世が来たことで、実家によく通うようになり。
両親はここぞとばかりに見合いを勧めるが、稜は拒み続けていた。
「...でね。私の知らないところで、お見合いの話を進めていたみたいで...もう断れないの」
「...そう」
「ごめんね。こんな話、まだ付き合って数週間だし、それに...」
「...俺が学生だから」
「まだ、そういった話、したことないから」
そんな話をすることもない。するはずはない。と思っていたが。
それは口に出せなかった。
「今の羚汰に結婚を迫るようなことはしたくない。将来を縛るようなことも」
羚汰が黙ったままだ。
沈黙が怖くてそのまま稜が続ける。
「別に私は、今すぐ結婚がしたいわけじゃないの。母さんにはそれを言ってて。それなのに、聞く耳がないっていうか。自分の意見を通そうとするっていうか」
稜の両親は、父親が25、母親が21の時に職場恋愛で結婚した。
彼らの年代では、職場恋愛も、年齢的にも珍しいことではなかった。
稜の弟の空人も大学卒業してほぼすぐに結婚したし。
親戚中見渡しても、みんな20代前半で結婚しているのだ。
稜が30過ぎても結婚しないのが、恐ろしく晩婚に思えるらしい。
「...お見合い、いつなの」
稜の話がやっと尽きた時、羚汰が静かにそう聞いてきた。
「たぶん、お正月明けてすぐぐらい、って言ってた...」
仕事が忙しいらしく、正月休みがいいだろうという話になっているらしい。
まだはっきりとした日にちは決まってなかった。
「...そう」
「断るから。すぐ」
稜は怖くて、最初から羚汰の顔が見れずにいる。

