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NEXT 【完結】
第53章 旅行 〜後編〜

「はい。ここ座って」
羚汰がドライヤーをつないで、とあるソファに座り手招きをしている。
「へ?」
「そこまでコレ届かないから、こっち来て」
指されたところ、羚汰の座る壁に近い位置の1人がけのソファの前。
羚汰が足を広げて座る、その前の絨毯に背を向けて座り込む。
羚汰がタオルとドライヤーを使って、いつもみたいにガシガシ乾かしてくれる。
大きく銀色に光るどこかの国のドライヤーは、大きな音と風がしていつものより早く乾く気がした。
「はい。こんなもん?」
「えー。もうちょっと乾かしてよ」
案の定、手で触るとまだしっとりと濡れている。
それなのに、羚汰は座ったまま手を伸ばして壁からコンセントを外し、コードをドライヤーに巻き付けているようだ。
文句を言うために見上げるように振り向くと、上から羚汰の顔と手が近づいて唇が重なった。
いつもと違う角度から重なる唇に、稜の下唇が吸われる。
驚いて固まっていると、羚汰がふふっと笑って、またゆっくり唇が吸われる。
ゆるく開いた口から舌がやさしく触れる。
「んっ...」
稜も羚汰の首に腕を伸ばす。
「おいで」
引き上げるように稜の体を持ち上げられ、稜もひねっていた体を羚汰の膝の上に移動させる。
触れるだけだった舌が、次第に互を絡めとる。
稜が完全に羚汰の膝の上に座った時には、一人掛けのソファに埋もれるようにして体を寄せあい、唇を深く重ねていた。
「ん...はっ...」
「稜さ...暖炉で何か思い出さない?」
羚汰が途中で引きはがすようにして、稜に尋ねる。
「んっ?...何を?」
「ほら、年末、映画見に行ったじゃん?」
「ああ。暖炉出てきてたね」
2人で見に行ったアクション映画で、途中主人公とヒロインが建物に逃げ込んだ。
そこで暖炉のシーンがあったのだ。
「似てね?あの暖炉に」
似てるかどうかまで覚えていない。
すぐに激しめのラブシーンが始まって、すごく目のやり場に困ったから。
「そうかな...」
「えー?覚えてナイ??」
本当ははっきり覚えている。
あのあと、映画館だというのに羚汰が迫ってきて大変だったことも。
恥ずかしくて俯いたのを、下から覗きこまれる。
「俺さ、見ながら、この暖炉に似てるなって思ったんだよね〜」
羚汰がドライヤーをつないで、とあるソファに座り手招きをしている。
「へ?」
「そこまでコレ届かないから、こっち来て」
指されたところ、羚汰の座る壁に近い位置の1人がけのソファの前。
羚汰が足を広げて座る、その前の絨毯に背を向けて座り込む。
羚汰がタオルとドライヤーを使って、いつもみたいにガシガシ乾かしてくれる。
大きく銀色に光るどこかの国のドライヤーは、大きな音と風がしていつものより早く乾く気がした。
「はい。こんなもん?」
「えー。もうちょっと乾かしてよ」
案の定、手で触るとまだしっとりと濡れている。
それなのに、羚汰は座ったまま手を伸ばして壁からコンセントを外し、コードをドライヤーに巻き付けているようだ。
文句を言うために見上げるように振り向くと、上から羚汰の顔と手が近づいて唇が重なった。
いつもと違う角度から重なる唇に、稜の下唇が吸われる。
驚いて固まっていると、羚汰がふふっと笑って、またゆっくり唇が吸われる。
ゆるく開いた口から舌がやさしく触れる。
「んっ...」
稜も羚汰の首に腕を伸ばす。
「おいで」
引き上げるように稜の体を持ち上げられ、稜もひねっていた体を羚汰の膝の上に移動させる。
触れるだけだった舌が、次第に互を絡めとる。
稜が完全に羚汰の膝の上に座った時には、一人掛けのソファに埋もれるようにして体を寄せあい、唇を深く重ねていた。
「ん...はっ...」
「稜さ...暖炉で何か思い出さない?」
羚汰が途中で引きはがすようにして、稜に尋ねる。
「んっ?...何を?」
「ほら、年末、映画見に行ったじゃん?」
「ああ。暖炉出てきてたね」
2人で見に行ったアクション映画で、途中主人公とヒロインが建物に逃げ込んだ。
そこで暖炉のシーンがあったのだ。
「似てね?あの暖炉に」
似てるかどうかまで覚えていない。
すぐに激しめのラブシーンが始まって、すごく目のやり場に困ったから。
「そうかな...」
「えー?覚えてナイ??」
本当ははっきり覚えている。
あのあと、映画館だというのに羚汰が迫ってきて大変だったことも。
恥ずかしくて俯いたのを、下から覗きこまれる。
「俺さ、見ながら、この暖炉に似てるなって思ったんだよね〜」

