この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
NEXT 【完結】
第60章 Downstairs

本当にそう思っていたのに、そんな疑いの眼差しを向けられて居心地が悪い。
「羚汰は、何か食べたいものとかお店があるの?もしあるなら、それで...」
「それだと意味無いじゃん」
羚汰が怒ったように、ベッドに体を投げ出す。
「...羚汰?」
慌ててベッドに腰掛け近づく。
「フツー、こういう時って、イイトコで食べたがったりすんじゃねーの?なのに、なかやまって」
布団を被るようにしてブツブツ拗ねている。
「そんなことない。羚汰が何食べたいって聞くから...」
背中を向けている羚汰の肩にそっと手を伸ばす。
「だって、久しくおっちゃんとおばちゃんに会ってないし。私たちにとって思い出の場所でしょ?あの時みたいに、なかやま行って、帰りに公園寄ろうよ。まだちょっと早いけど、きっと桜が膨らんでるよ」
そこまで言うと、羚汰が振り返った。
「...ほんとに、なかやま?」
「ながやまがいいの!!」
「なかやま、...安いよ?」
「おでん、今限り食べて、食べ尽くすもん。お惣菜も片っ端からぜーーんぶ食べるし」
おでんはともかく、通常お惣菜はカウンターの端から端まであって、到底食べ切れる量ではない。
ぷっと羚汰が笑った。
それを見て、稜も安心して笑いがこぼれる。
羚汰の手が伸びて、稜の顔を触る。
「じゃ、なかやまにしよっか」
「うん!」
羚汰が起き上がってきて、唇がチュッと触れる。
見つめ合って、そんなキスを繰り返す。
「...羚汰。もう行かないと」
羚汰の腕がまとわりついてきて、ベッドに引きずり込まれそうだ。
「稜も休みならいいのに。休めば?」
「この忙しい時期に無理!」
「ちえー」
ワザとらしく羚汰がベッドに仰向けになったので、稜が立ち上がる。
「じゃ、行ってくるね」
「んー。いってらっしゃーい」
なんとか機嫌が治った羚汰を見て、稜はやっと会社に向かった。
久しぶりのなかやまは、美味しくて。
カウンターの端から端までとはいかなかったが、いつものようにたくさん食べた。
半数ほどが春のメニューになっていて、気になってお腹が本当にはち切れんばかりになるまで食べた。
帰りに寄った公園も、まだまだ桜は色を見せなかったが、手をつないだままブランコで並んで座って。
家に帰って蕩けるまで愛し合った。
「羚汰は、何か食べたいものとかお店があるの?もしあるなら、それで...」
「それだと意味無いじゃん」
羚汰が怒ったように、ベッドに体を投げ出す。
「...羚汰?」
慌ててベッドに腰掛け近づく。
「フツー、こういう時って、イイトコで食べたがったりすんじゃねーの?なのに、なかやまって」
布団を被るようにしてブツブツ拗ねている。
「そんなことない。羚汰が何食べたいって聞くから...」
背中を向けている羚汰の肩にそっと手を伸ばす。
「だって、久しくおっちゃんとおばちゃんに会ってないし。私たちにとって思い出の場所でしょ?あの時みたいに、なかやま行って、帰りに公園寄ろうよ。まだちょっと早いけど、きっと桜が膨らんでるよ」
そこまで言うと、羚汰が振り返った。
「...ほんとに、なかやま?」
「ながやまがいいの!!」
「なかやま、...安いよ?」
「おでん、今限り食べて、食べ尽くすもん。お惣菜も片っ端からぜーーんぶ食べるし」
おでんはともかく、通常お惣菜はカウンターの端から端まであって、到底食べ切れる量ではない。
ぷっと羚汰が笑った。
それを見て、稜も安心して笑いがこぼれる。
羚汰の手が伸びて、稜の顔を触る。
「じゃ、なかやまにしよっか」
「うん!」
羚汰が起き上がってきて、唇がチュッと触れる。
見つめ合って、そんなキスを繰り返す。
「...羚汰。もう行かないと」
羚汰の腕がまとわりついてきて、ベッドに引きずり込まれそうだ。
「稜も休みならいいのに。休めば?」
「この忙しい時期に無理!」
「ちえー」
ワザとらしく羚汰がベッドに仰向けになったので、稜が立ち上がる。
「じゃ、行ってくるね」
「んー。いってらっしゃーい」
なんとか機嫌が治った羚汰を見て、稜はやっと会社に向かった。
久しぶりのなかやまは、美味しくて。
カウンターの端から端までとはいかなかったが、いつものようにたくさん食べた。
半数ほどが春のメニューになっていて、気になってお腹が本当にはち切れんばかりになるまで食べた。
帰りに寄った公園も、まだまだ桜は色を見せなかったが、手をつないだままブランコで並んで座って。
家に帰って蕩けるまで愛し合った。

