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NEXT 【完結】
第62章 花見という名の宴会

「うげー!マジかぁ!!」
手札がぐっと増えて羚汰が大げさに悔しがると、子どもたちは大ウケだ。
手加減しているのか、そのまま勝敗がついて羚汰が負けてしまう。
その終わったのを見計らっていたのか、稜たちが持ってきたたい焼きをはじめデザートが出てきて、子どもたちがいっせいにそちらに群がる。
羚汰と2人で笑ってカードを片付ける。
「楽しんでるね」
「うん。もう帰んなきゃなのが、悔しい」
「私、夏に流し素麺するからおいでってさっきー」
噂には聞いていたが、夏は流し素麺。秋は秋刀魚なんかも焼くBBQ。年末は餅つき。などなど、ことある事に集まって宴会をするらしく。次もおいでねと、方々で誘われている。
「俺も誘われた!!しかも、それまでに庭の端にピザ窯作っとくからよろしくって言われた!」
「え、窯?窯を作るの?」
バイトでピザを焼いていることを、千夏のお義父さんに話した。
それを聞くと大喜びで、この夏までにピザ窯を作る!と張り切っているらしい。
「ピザ窯は、火熾しとか準備が大変なんだけどな〜。早く来なきゃなんないし〜」
そう口では言いながら、羚汰も嬉しそうで。
どうやら迷惑どころではなく、ピザ焼く気満々だ。
「俺、こーゆー雰囲気好きなんだよね」
羚汰は、歳の離れたお姉さんが家に帰ってくるまでの時間、近所のおじいさん家に入り浸っていて。
そこがこんなカンジだったらしい。
「じいちゃん家もこーんなカンジで、縁側があって、畳があって。冬はおっきなコタツがあってー。懐かしいな」
懐かしい?おじいさんは元気にしていたような。
「あ、今はね。古くなりすぎてさ、空き家になってんの。じいちゃんも、1人だからっておばちゃん家に引っ越しててさー」
なんだか寂しそうで、縁側に置いてあった手にそっと手を重ねる。
「稜...」
「夏に、また来ようね」
「うん」
指が絡まって二人の距離が近づく。
「はい、そこー。いちゃいちゃしないで下さーい!」
また子どもたちが戻ってきたのかと慌てて離れる。
声の主はビール瓶を抱えて運んでいる様子の、笑顔ではあるものの目が笑っていない千夏だった。
さっきから新妻の仕事を大忙しでこなしている。
少し疲れているようだが仕方ない。
手札がぐっと増えて羚汰が大げさに悔しがると、子どもたちは大ウケだ。
手加減しているのか、そのまま勝敗がついて羚汰が負けてしまう。
その終わったのを見計らっていたのか、稜たちが持ってきたたい焼きをはじめデザートが出てきて、子どもたちがいっせいにそちらに群がる。
羚汰と2人で笑ってカードを片付ける。
「楽しんでるね」
「うん。もう帰んなきゃなのが、悔しい」
「私、夏に流し素麺するからおいでってさっきー」
噂には聞いていたが、夏は流し素麺。秋は秋刀魚なんかも焼くBBQ。年末は餅つき。などなど、ことある事に集まって宴会をするらしく。次もおいでねと、方々で誘われている。
「俺も誘われた!!しかも、それまでに庭の端にピザ窯作っとくからよろしくって言われた!」
「え、窯?窯を作るの?」
バイトでピザを焼いていることを、千夏のお義父さんに話した。
それを聞くと大喜びで、この夏までにピザ窯を作る!と張り切っているらしい。
「ピザ窯は、火熾しとか準備が大変なんだけどな〜。早く来なきゃなんないし〜」
そう口では言いながら、羚汰も嬉しそうで。
どうやら迷惑どころではなく、ピザ焼く気満々だ。
「俺、こーゆー雰囲気好きなんだよね」
羚汰は、歳の離れたお姉さんが家に帰ってくるまでの時間、近所のおじいさん家に入り浸っていて。
そこがこんなカンジだったらしい。
「じいちゃん家もこーんなカンジで、縁側があって、畳があって。冬はおっきなコタツがあってー。懐かしいな」
懐かしい?おじいさんは元気にしていたような。
「あ、今はね。古くなりすぎてさ、空き家になってんの。じいちゃんも、1人だからっておばちゃん家に引っ越しててさー」
なんだか寂しそうで、縁側に置いてあった手にそっと手を重ねる。
「稜...」
「夏に、また来ようね」
「うん」
指が絡まって二人の距離が近づく。
「はい、そこー。いちゃいちゃしないで下さーい!」
また子どもたちが戻ってきたのかと慌てて離れる。
声の主はビール瓶を抱えて運んでいる様子の、笑顔ではあるものの目が笑っていない千夏だった。
さっきから新妻の仕事を大忙しでこなしている。
少し疲れているようだが仕方ない。

