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少年悪魔
第12章 刻印
「――僕のことが、何?」
「き、聞こえたでしょ?」
「よく聞こえなかった。…もう一回」
耳元で囁かれ、繭の心臓が破裂しそうになる。
「……、……好き……」
やっとの思いで声を絞り出すと、遥斗が頭に手を置いた。
「…よくできました」
その楽しそうな声を聞いて、繭は遥斗を睨んだ。
「やっぱり…、聞こえてたんでしょ!」
「どうかなあ。それより本当にそろそろ行かないと、まずいよ」
繭が教室に掛かっている時計で時刻を確認すると、交替時間まで五分ほどしかなく、二人は急いで教室を出た。
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