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私と絵のぐと
第13章 過去と現在
「私は、本当に瑠晴が好きだったの…私の存在が…瑠晴にとって迷惑になるって思って…。」

言ってることが、めちゃくちゃすぎて理解出来ない。

「過去は過去だろ。俺にとってもお前にとっても、通過点に過ぎない存在だったんだよ。そうだろ?」

「私は……。」

「自己主張強い女はもういいって。早く旦那のとこに帰りな。待ってるぞ?」

「通過点か…。そうよね。私、瑠晴があまりにもかっこよくなってて、おかしくなったのかも。悪かったわね。」

やっと言えた。
今まで言ってやりたかった言葉。

「俺より才能に溢れた人、大切にしろよ?…今日はわざわざありがとうな。もう、二度と会わないって約束する。
 お幸せに。」

会計に金を渡し店を出た。

「はぁー。疲れた。」

「瑠晴っ!お疲れ様っ!」

この声は。

「優璃!なんで、ここに?」

「瑠晴の絵が観たくなって。そしたら、瑠晴いなかったから…。」

「それって、俺に会いに来たってことだろ?クスっ」

「!…そ、そんなこと…あっ!夕食食べちゃった?」

「いや、たいしたもん食ってないから、どこか行こう。」

「瑠晴っ!!ちょっと待って!」

今一番名前を呼ばれたくないやつ。

「え………?」

「こんばんは。初めまして。みつきって言います。」

「あ…こんばんは。初めまして。優璃です。」

「瑠晴の友人なの?」

「みつき止めろ。俺の彼女だ。」

「ふーん。私のことあんなに好きだったのにね。
 この子も、通過点にしかすぎないのかしら?
 じゃね!」

吐き捨てた言葉。
優璃は固まっている。
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