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第13章 過去と現在

「優璃？大丈夫か？」

「瑠晴…あの人って…彼女だった人？通過点ってなに？」

綺麗な女の人だった。
この店で会ってたの？
なんで、そんな申しわけなさそうな顔をしてるの？
何があったの？

聞きたいことは山ほどあるのに、言葉にならない。

「優璃。説明すると長い。立ち話じゃなんだから店入ろう。」

「瑠晴…ごめんなさい。私、冷静になれない。帰る。」

「おい！」

掴まれた腕を振りほどき、背を向けて走った。

こんなに、苦しい。
どうして元カノと会ってるの？
わからない。
今は友人って言いたいのかな？
けど……受け入れられない。



「くっそ！！！……優璃…信じてくれ。」




「瑠晴……っ…ふ……。」

涙が止まらない。瑠晴は、追いかけては来なかった。

何度も鳴る着信。
一回もでることはなかった。
一方的に責めてしまいそうで、怖かった。

私に見せてた表情も、声も、指も、あの人は全て知ってるんだ。
私以上に瑠晴を知ってるのかもしれない。
そんな人に敵うわけない。
やっぱり、私は瑠晴とは釣り合わないよね…。

何日も考えたって、マイナスな考えしか浮かんでこない。

このままじゃいけないって分かってるけど…。

携帯を持つ手が震える。

ープルルル…ー

何度も呼ぶベルが頭に響く。

呼び鈴は途切れることはなかった。

「……っ。もう…終わりなのかな…。」

あの人のところに行っちゃったのかな。
夢みたいな時間だった。

瑠晴と出会った場所に行きたい。
足は勝手に動いていた。

また、モノクロの世界に飛び込んだような感覚。