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練愛
第2章 日曜日
ホテルを出た日向は
行く当てもなく歩いていた。
あいつに彼女が出来たと聞いてから
飛鳥の事が頭から離れない。
このまま
友達で終わろうと決めてたのに
卒業して、お互い別の人生を歩み始めれば
いつかこの気持ちも消えるだろう、と。
だが、あの話からどんどん気持ちが膨らむ
自分でも制御出来なくなってしまいそうな位
あいつが愛しい。
そして、あいつの彼女、
葛川 由美(かつらがわ ゆみ)が憎い。
あの女より、ずっと前から見てた
あの女より、飛鳥を知ってる。
飛鳥と初めて会ったのは高校の入学式の日
式になんて出る気の無かった俺は
屋上でサボろうと足を運んだ。
屋上のドアを開けると隅の方で
何やらアタフタしてる奴が居た
眼鏡にボサボサ頭
挙動不審。
「なんだあいつ」
溜め息混じりにボヤきながら
懐の煙草を取り出す。
「ミャーニャー」
ん?屋上に猫?
不思議に思った俺は
声の方へ視線を向ける
「あわわわ!シー!シー!」
口元に人差し指をあてながら
先客は給水タンクに話かけていた
あぁ、あいつ
猫連れ込んでんだな。-
「おい!」
「は!はい!」
俺の声に驚いたのかそいつは
ピクリと飛び上がった
俺はそんな事、気にも止めず続ける
「その猫どーしたんだよ」
「えっと…公園に捨てられてて…」
「ふーん」
「学校が終わったら、ちゃんと連れて帰るから!
あの…先生には……」
モジモジしながらの上目遣い
「んなこと言わねーよ」
「ほんと?ありがとう!」
「お、おう!」
その後も「一緒に帰ろうね?」とか
「女の子かな?男の子かな?」「お名前は?」
なんて猫に話しかけてる飛鳥を眺めてた
男のくせにヘナヘナしやがって…
最初の頃はそう思って
「これも何かの縁だろーし
なんか有ったら俺が助けてやる」
なんて言ってたな。
廊下を歩けば必ず他生徒とぶつかる
朝は、花壇で花の世話
昼休みは図書室で読書
放課後はうさぎ小屋の掃除
部活は帰宅部
知れば知るほど「女みてぇな奴だな」と思った
知れば知るほど「可愛いやつ」と思った
知れば知るほど「好き」になった
まあ、自分の気持ちに気づいたのは最近だけどな
俺もあいつも男だけど、それでも好きだ
だれにも負けねえ位、好きだ
だけど、俺たちは男同士なんだよな…
行く当てもなく歩いていた。
あいつに彼女が出来たと聞いてから
飛鳥の事が頭から離れない。
このまま
友達で終わろうと決めてたのに
卒業して、お互い別の人生を歩み始めれば
いつかこの気持ちも消えるだろう、と。
だが、あの話からどんどん気持ちが膨らむ
自分でも制御出来なくなってしまいそうな位
あいつが愛しい。
そして、あいつの彼女、
葛川 由美(かつらがわ ゆみ)が憎い。
あの女より、ずっと前から見てた
あの女より、飛鳥を知ってる。
飛鳥と初めて会ったのは高校の入学式の日
式になんて出る気の無かった俺は
屋上でサボろうと足を運んだ。
屋上のドアを開けると隅の方で
何やらアタフタしてる奴が居た
眼鏡にボサボサ頭
挙動不審。
「なんだあいつ」
溜め息混じりにボヤきながら
懐の煙草を取り出す。
「ミャーニャー」
ん?屋上に猫?
不思議に思った俺は
声の方へ視線を向ける
「あわわわ!シー!シー!」
口元に人差し指をあてながら
先客は給水タンクに話かけていた
あぁ、あいつ
猫連れ込んでんだな。-
「おい!」
「は!はい!」
俺の声に驚いたのかそいつは
ピクリと飛び上がった
俺はそんな事、気にも止めず続ける
「その猫どーしたんだよ」
「えっと…公園に捨てられてて…」
「ふーん」
「学校が終わったら、ちゃんと連れて帰るから!
あの…先生には……」
モジモジしながらの上目遣い
「んなこと言わねーよ」
「ほんと?ありがとう!」
「お、おう!」
その後も「一緒に帰ろうね?」とか
「女の子かな?男の子かな?」「お名前は?」
なんて猫に話しかけてる飛鳥を眺めてた
男のくせにヘナヘナしやがって…
最初の頃はそう思って
「これも何かの縁だろーし
なんか有ったら俺が助けてやる」
なんて言ってたな。
廊下を歩けば必ず他生徒とぶつかる
朝は、花壇で花の世話
昼休みは図書室で読書
放課後はうさぎ小屋の掃除
部活は帰宅部
知れば知るほど「女みてぇな奴だな」と思った
知れば知るほど「可愛いやつ」と思った
知れば知るほど「好き」になった
まあ、自分の気持ちに気づいたのは最近だけどな
俺もあいつも男だけど、それでも好きだ
だれにも負けねえ位、好きだ
だけど、俺たちは男同士なんだよな…