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薔薇色タクシー
第5章 ♡ダンディ系♡
「不愉快?いやむしろ愉快だよ…」


ルームミラーには、ニヒルに笑う口元だけが映って見えた。


「出来たら自分のこの硬くなったモノを鎮火して貰いたいしね…」


ガッガッ!


ギアがドライブに入り…


キキキキィィィィッ!


薔薇色タクシーは、走り出した…。


しばらくお互い黙っている。


賑やかな都心とは違って、都市開発途中の街はマンションも多いけど、人が歩いている姿は殆ど見かけない。


それでも端から見たら、ダンディ様が薔薇色タクシーの運転手に見えるだろう。


まぁ…自業自得。
こういう相手も稀にいるのよね…。


やってる事が事だけに、防犯対策は一応してあって、数カ所に無線が事務所に繋がるようスイッチを仕込んであるのだ。 


脚まで縛られてなくて良かった。
 

「何処へ…向かうのかしら?」


ダンディ様に話し掛けながら、慎重に脚を運転席の座席の下に伸ばしていく。


「会員制のクラブだよ…ビップルームがあるんだ。ホテルのスイートより少し狭い感じだけど、このタクシーよりは広いよ…」


「あらそう…それは素敵そうね…」


一応嬉しそうな素振りを見せておくが、そこでしっぽりと責める気なんだろう…
出来たらその前に何とかしなきゃね…。


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