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薔薇色タクシー
第5章 ♡ダンディ系♡
天井をぼんやり眺めながら、溜め息を吐く


「はぁ〜野原薫子…一生の不覚だわ…」


これから一体、どんな事をされてしまうのかしら?
気持ち良い分には良いんだけど、余りマニアック過ぎるプレイもしたくないのよね…。


唯一自由の利く首を動かして、部屋の様子を観察する。


調度品は豪華だけど、壁や天井は元々ビルを改装しただけなのか、案外殺風景だった。


「まぁ…いざサツに乗り込まれても、貿易会社とか言って誤魔化せそうよね…」


一人言をボヤいていたのに…


「クックッ…中々の推察だね…薫子さん」


「あ…それ…」


いつの間にか戻って来ていたダンディ様の手には、さっきトランクに乗せなかったキャリーケースを持っていた。


ジッと見ている私の視線に答える様に


「あぁ…この中には、大事な物が入っていてね…折角だから薫子さんにお披露目しようかと思って…」


「お披露目?鳩でも出てくるのかしら?」


寧ろその方が安心するんだけど…


「出してあげたいのも山々なんだけど、残念ながら鳩は入ってないよ…」


「そう…残念ね…」


本気でガッカリした。


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