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薔薇色タクシー
第5章 ♡ダンディ系♡
「あっち…」


火傷しない様に慎重に布を焼くが、ライターを持っている部分も熱くて、ずっとは握っていられない。


慌てちゃいけない気持ちと…
急ぐ気持ちが交錯して、バックンバックンと心音が激しくなってくる。


ジリジリ…


焼ける臭が鼻を衝く…。


「うっ…」


ドッキン!


時たま呻くダンディ様の声に、ジンワリと肌に冷や汗が滲んだ。


プツン…


両方の布が虚しく焼き切れた瞬間、物凄い開放感に満たされる。


「あぁ…縛られてないって…なんて素敵なの…」


人生で初めて味わう感覚だ。


でも、手首を縛っているネクタイは、簡単には解けない。


逃げるには手も自由にしたいし、服を着ないといけない。


ダンディ様が目が覚めそうだったら、もう一回『金玉クラッシュ』しかないわね…。


仰向けのダンディの様子を見ながら、さっき見つけたロウソクを立てて火を付けた。


「ロウソクまで金色なんて…どれだけ成金なのかしら…」


変態プレイさえなかったら、結構テクニシャンだ。


薔薇色リストに入れたかったのに…


かなり残念だったわね…。


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