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薔薇色タクシー
第5章 ♡ダンディ系♡
ネクタイは中々難しくて、少しずつ焦がしては、引っ張って裂いてみたりした。


息を殺しながらジッとロウソクの火の先を見詰める。


「ん…っ…」


ドキッ…


ダンディ様の声が、妙に響く。


直ぐには起き上がれないだろうけど、緊張感は半端なかった。


早く…早く…


溶けていく繊維をガン見し、呪文の様に繰り返す。


かなり焼き切れた所で、数十回目のチャレンジを渾身の力を込めて…


「こんのぉぉぉ〜切れろぉぉぉ〜!」


ブッチィ〜ンッ!


とうとうずっと縛り付けたネクタイが切れた!


その瞬間、薔薇の花弁が舞い散り、勝利のファンファーレが鳴り響いた…


私のイメージの中でだけど。


「よしゃぁぁぁ〜!後は逃げるが勝ちよ!」


急いで服を着直して、ヒールを片手に素足で部屋を脱出しようと時…


ガシッ!


足首を掴まれた。


「きゃぁ!」


プチホラー気分で、恐る恐る振り向くと…


「う…ぅ…薫…子…ぉ…」


意識が戻ったダンディ様が股間丸出しのまま、最後の足掻きを見せて来た。


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