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薔薇色タクシー
第4章 ♡先輩&後輩♡
さて…今日はどのスポットに連れ込もうかしら…
何せ三人だから、タクシーの中はちょっと狭い。


考えながら、エンジンを掛けようとすると


「あれ…美味しそうな匂いがしますね…」


あら…後輩君血気盛んね〜!


「うふふ…そんなぁ〜これは薔薇の…」


私が言いかけてると


「おでん…ですか?」


「え…おでん!?」 


「そうだ〜おでんだ!」


「あぁ…さっき少しだけ買いましたの…」


なんだ…本当にお腹が空いてるにね…。


少しガッカリしそうになったけど…


ピロロ〜ン!
薫子さん閃きました!


「良かったら食べます?たまごと大根としらたきしかありませんけど」


「えっ!いくらなんでもそこまでお言葉に甘えるのは!」


先輩君が慌てて断る。


後輩君も流石に黙った。


「うふふ…まだ口を付けてないですから遠慮なく食べて下さいよ〜」


赤信号で停車した瞬間、おでんの器を後ろに渡す。


「えぇっ!薫子さん!」


「先輩!折角だから頂きましょうよ!」


後輩君、相当お腹が空いているのだろうか、箸をぶっ刺したままのたまごを口に頬張った。


「うんまい!」


「うふふ!何も食べてなかったんでしょ〜」


「はぁ…取引先でも少し飲みましたが、柿ピーくらいしかなくて…」


「それじゃぁお腹も空きますわよね…」


ルームミラーには、嬉しそうにおでんの汁を啜ろうとしている後輩君が映る。


よし…今だわ!


後続車がいないのを確認して、思いっきりブレーキ踏み込んだ。


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