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加虐の皇子と愛玩ドール
第7章 耽溺被虐
「お姉ちゃん。……」
鈴を転がしたような声が、沈黙の中にとけて消えた。
「私、昨夜はつい、頷きましたけれど……。お姉ちゃん、警察の偉い人に知り合いがいるんですよね」
「そうなの?」
「彼女を頼れば、さっさと解決しちゃうのに」
ほづみがすっと離れていった。
みおりの胸が、背を向けたドールの暗い水面をかき分けてゆくのが差し響いて広がる波紋に、ふわふわくすぐられる。
ほづみがタイルに頬杖をついて、天を仰いだ。
恐れ気もなく地上に上がったもち肌の腕、脇から手首にかけてのラインは、何とも大胆な匂いがある。腰まである栗色の髪を結い上げたうなじに張りついた後れ毛、ほづみの小さな肩は薬草の効果を早くも受けてか、いつにも増してあでやかだ。
「ほづみ」
「何ですか?」
「寒くない?」
「暑いくらいです」
「上がってタオル取ってみな」
ほづみが振り向いてきた。
躊躇いがちな色を気取った双眸は、公共浴場を敬遠しているのにしては、甚だ野性的な煌めきがちらついていた。
「…………」
従順なドールが薄い唇を尖らせて、湯船の縁に膝をかけた。
臀部の割れ目が濡れたタオルからちらと覗いて、ばしゃっ、と、湯飛沫が飛び散る。
ほづみが、ホテルの庭園とこことを隔てる植え込みの前に佇んだ。
盛り上がった胸元で折り込んであったタオルの端が外れていって、扇情的な肉体を辛うじて覆っていたものが、はらりとめくれた。
しどけないほど綺麗な肌色、小さな肩が落とさずちゃんと支えているのは、特上の潤いを閉じ込めた、たぷんとした二つの果実だ。先端を飾ったサーモンピンクの豆粒が、湯煙の匂いのヴェールをまとって煌めいていた。ほんのりあばらのラインの浮いた脇腹、鍛えられた感じこそなきにせよ、くびれたウエスト、大胆に露出されたTゾーンに、健康的な程度に肉づきのあるすらりとした脚、凝視だけで犯したくなる誘惑が、そこにはあった。
「すごくエロいよ……ほづみ」
「っ、……もう、戻ります」
「胸、触ってごらん?」
「──……。……」
みおりから、ほづみの濡れた双眸が、外れていった。
細い手首が自らの上体に伸びていって、五本の指が、形の良いCカップを捕らえるケージになる。