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加虐の皇子と愛玩ドール
第7章 耽溺被虐
「っ 、……大体、いきなり脱がされて、吊るされて、……ナマモノを盛りつけられるなんて、わけ分かりませんからっ。あの隅っこにいる人なんて、ホテルの人じゃないですかっ」
「オーナーに観賞させる条件で、この宴が表沙汰にならないよう約束させられたんだ。ほづみを気に入ったんじゃない?」
「そんな人がオーナーで、このホテル、大丈夫なんですか……」
「地元から逃げてきて、ここでも逃げる羽目になったら、ほづみも困るだろ?」
「みおりさん、こういうの嫌いだと思ってました」
「雅音に使われたくないだけ。私は自分の意思で動く分には、快楽主義」
「──……」
まもなく過半数の女性らが、取り皿を持って群らがってきた。
みおりは彼女達に場所を譲って、カクテルグラスを傾けながら、暫しの傍観を決め込む。
ある女性は、ほづみの乳房に絞ってあった生クリームを掬い上げて、ひと欠片のチョコスプレーまで残すまいと、フォークの峰でその斜面を丹念に撫で回していた。またある女性は、首の付け根に盛りつけてあるトライフルに、じかにかぶりついていた。
与子は、かつてつるんでいた顔触れが太ももに巻かれたスポンジケーキシートを剥がしてゆくのを眺めながら、恥丘にトッピングされたアイスクリームを掬っていた。
「ぁっ、ああぁぁっ……ぁんっ、ああっ……」
女性達が少しばかり生クリームをつついただけで、デザート皿もといほづみの身体がびくびく波打つ。フルーツがフォークに掬われる度、上下する胸の狂おしさに輪がかかる。女性の舌先がフルーツソースをさらえる度に、四肢の一部が痙攣を起こす。
パティシエ特製、美少女トライフルは、文句のつけどころがないらしい。
女性達は、デザートそのものにも舌鼓を打っていた。そして、彼女らの操るフォークやスプーンの陰湿さは、ホワイトベージュの皿が悶えれば悶えるほどエスカレートしていく。